食塩摂取量5g増加で脳卒中リスクが23%上昇
(イタリアの研究チーム)
食塩の過剰摂取が引き起こす健康問題はこれまでも多数報告されている。世界保健機関(WHO)は推奨摂取量を1日5g以下としているが,世界的な平均摂取量は1日10g,特に東欧やアジアでは1日12g以上のケースが多い。イタリア・ナポリ大学の約17万例を対象とした解析から、1日の食塩摂取量が5g増加した場合,脳卒中リスクが23%上昇することが分かった。対象者は計15万4,282例。このうち脳卒中発症および死亡は5,346例だった。平均食塩摂取量から±5g/日で脳卒中リスクを検討したところ,平均より5g/日多い群でリスクが23%上昇することが判明した。
また対象者10万4,132例のうち、心臓血管疾患の発症および死亡は5,161例だった。平均食塩摂取量から±5g/日で心血管疾患リスクを調査した結果,心血管疾患リスクは17%上昇することがわかった。
以上の結果から「習慣的に高い食塩摂取量が脳卒中リスクを23%,心血管疾患リスクを17%上昇させることが明らかになった」と結論。世界中で毎年550万人が脳卒中,1,750万人が心血管疾患で死亡しているが,「世界の人々が1日の食塩摂取量を5g減らせば,毎年125万人の脳卒中死と300万人の心血管疾患死を予防できる」と述べている。
心臓病・脳卒中の発症率は2倍に!
生活習慣病は、肥満ー特に内臓に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満)メタボリックシンドロームが原因であることが分かってきた。高血圧、糖尿病、高脂血症の治療を行っていない男性808名を5年間追跡調査した国内のデータで、このメタボリックシンドロームのある方は、無い方に比べ、およそ2倍以上も心臓病や脳卒中にかかりやすいことが分かった。
要注意チェックシート 以下の項目のひとつにでも心当たりがある方は注意しましょう。
1.
高血圧だと言われたことがある、若しくは治療中である
2.
高脂血症といわれたことがある、若しくは治療中である
3.
肥満、若しくは肥満気味である
4.
糖尿病である、若しくは治療中である
5.
親近者に高血圧・高脂血症・糖尿病の人がいる
6.
親近者に心筋梗塞・脳梗塞などを患った人がいる
7.
運動不足である:1日1万歩が目安
8.
軽い運動で胸が締め付けられるように感じることがある
9.
多忙でストレスが多い
10.
睡眠不足である
11.
食生活が不規則である
12.
しばしば深酒をする
13.
タバコを吸う
14.
ファーストフードや油っこい食事が好き
15.
ストレスが多い
16.
足にしびれやだるさを感じる