しはらく歩いているとフクラハギが痛くなって歩けなくなり、少し休むと、また歩けるようになります。

 

間欠性跛行(かんけつせいはこう)

 間欠性跛行とは、歩いていると、足(特にふくらはぎ)に痛みやしびれを感じ、しばらくすると、それがひどくなり歩き続けることが出来なくなってしまいます。しかし、止まって少し休んでいるとまた歩けるようになるそのような症状を繰り返すことを言います。

 

このような症状が起こる原因には二つあります。ひとつ腰部脊柱管狭窄症、これは腰の部分で足にゆく神経が圧迫されるために起こります。もうひとつは閉塞性動脈硬化症(慢性動脈閉塞症とも言います)、これは足への動脈が細くなって、血流が悪くなって起こります。

 

腰の部分の脊柱管の中を足にゆく神経が通っています。腰のところで椎間板ヘルニアなどが起こりますと、この足にゆく神経が圧迫され、いわゆる坐骨神経痛の症状、すなわち臀部から大腿、そして下肢のしびれや痛みなどの症状が出ます。

 

加齢などが原因で、骨の飛び出しやズレ・椎間板ヘルニア・靭帯の肥厚などが起こりますと、そのせいで神経が通る管(脊柱管)が狭くなります。腰部脊柱管狭窄症とは、腰の部分の脊柱管が狭くなったせいで、足への神経が圧迫されたり、神経への血管が圧迫されて、神経自体の栄養不足を起こしたりすることにより、下肢の症状を出す病気です。腰痛はあることも、全くなくて足の症状だけの場合もあります。

 

閉塞性動脈硬化症とは、腹部から下肢のあたりの動脈が動脈硬化などが原因で、狭くなったせいで起こる病気です。足の筋肉は、歩行時には安静にしている時より大量の血流を必要とします。そこへの血管が細くなると、安静時には症状が出なくても、しばらく歩行を続けていると、足の筋肉への酸素不足や栄養不足が起こり、そのせいでしびれや痛みが起こるのです。そして、しばらく休憩して、待っていますと、血流が戻ってきて症状はなくなり、また歩けるようになります。

 

腰部脊柱管狭窄症では、腰を後ろへ伸ばすと脊柱管の狭窄がよけいにひどくなり、逆に前かがみの姿勢で広くなるせいで、症状が軽くなる特徴があります。このため、立位や歩行の際に、下肢の痛みやしびれ感・つっぱり感が出現しますが、前かがみになってしゃがみこんだりイスに座ったりして休むと、症状が軽くなります。また自転車に乗る場合には、腰がやや前かがみとなりますので、いくら乗っても下肢の症状は出ないことが多いのです。なお、閉塞性動脈硬化症では、下肢への血流が悪くなって間欠性跛行が起こりますので、姿勢とは関係なく、すなわち姿勢を前かがみにしても症状が軽くなったりしません。逆に自転車に乗ってペダルをこぐ場合には、安静時より下肢へ多くの酸素が必要となりますので、症状が出現することが多いのです。


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