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急いで医者へ行くめまい

 

 中高年の方のめまいは脳梗塞が原因の場合がある。めまいが起こったら、安易にメニエール病だろうなどと考えない方が良い。

 

突然に起こった中高年の方のめまいでは、脳幹部や小脳へ血液を送る椎骨動脈や脳底動脈の血液の流れが悪くなって起こる場合が多く、時には脳幹部や小脳の脳梗塞の場合がある。この小脳梗塞の1/4の例では、脳が腫れたりして命にかかわることになるという。特に、朝起床時に起こっためまいに注意。

 

脳梗塞の場合、めまい以外に物が「二重に見えたり」、「ろれつ困難」、あるいは「顔面や手足のしびれや脱力」などの症状を伴うと言われるが、めまい以外にとりたてて症状がない場合も結構多い。

また、脳底動脈などが血栓でつまる場合、進行性卒中と言って、何日もかけて(長くて1週間ぐらい)、症状がダンダン悪くなってゆくことも多く、最初、症状が軽いからと言っても油断できない。

 

脳梗塞で有名なワーレンベルグ症候群は若い人に多く、椎骨動脈の解離性動脈瘤で起こることが多い。後頭部痛と同時にめまいが起こった時は、この病気を考える。なお、稀にくも膜下出血でめまいを訴えることがある。

 

脳幹部にあって、しばしば、めまいを起こす部位となる前庭神経核の真横には三叉神経核がある。三叉神経は顔面の感覚を司る神経なので、めまいと同時に口の周りがしびれたら注意が必要である。

 

CT検査では、同じくめまいがする小脳出血などはすぐに写るが、脳梗塞に関しては、起ってから1224時間ぐらいたたないと写らないことが多い。そこで、脳梗塞が疑わしい場合には、MRI検査の拡散強調像を撮影するとはっきりと分かる。

 

参考資料

内科めまい外来を訪れた3021例中18例(0.6%)に過ぎなかった。特に60歳以上の高齢者のめまいでは、メニエール病はほとんど考えなくてよい(中山:2005)。

救急外来を受診しためまいの方、321例のうち脳梗塞によるものは6例、1.9%であった(埼玉医大 伊藤)。

脳血管障害によるめまいは20人に1人(5%)(Herr:1989Hain:1995Drachman1972 小宮山:2005)。メニエール病は2.4%(小宮山:2005



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