脳卒中の発病に関係する10種類の危険因子が分かった。

 

ロンドン、マクマスター大学の研究者らは「10種類の危険因子の存在で、脳卒中の発病の90%を説明できる」とする研究結果を発表した。すなわち(1)高血圧(2)喫煙(3)ウエスト/ヒップ比(腹部肥満)(4)食事(5)身体活動度(6)脂質(脂肪)(7)糖尿病(8)飲酒(9)ストレス・うつ(10)心疾患―の10種類の因子が脳卒中の発病と有意に関連していることが明らかになった。

 

虚血性では10因子すべてが重要

 

虚血性脳卒中(脳梗塞など)は,これら10因子すべてとの間に有意な関連が認められ,一方、出血性脳卒中(脳出血など)については10因子のうち5因子(高血圧,喫煙,腹部肥満,食事,飲酒)との間に有意な関連が認められた。

 

高血圧が最大のリスク

 

今回の研究では脳卒中の最も重要な危険因子は高血圧であることが分かった。実際,高血圧は全脳卒中の3分の1と関連しており,高血圧の人では高血圧の既往歴のない人と比べ脳卒中リスクが2.5倍超高かった。また喫煙者の脳卒中リスクは非喫煙者の2倍で,喫煙は全脳卒中の20%と関連していた。

 

解析では(1)高血圧(2)現在の喫煙(3)腹部肥満(4)食事(5)身体活動度―の5種類の因子の存在によって全脳卒中の発病の80%超が説明できることが明らかになった。これらに,さらに5種類の因子を加えると,全脳卒中の90%が説明できることがわかった」と述べている。以上より「地域住民を対象とした血圧のコントロール(低下),喫煙の減少,身体活動の増進や健康的な食事摂取への啓蒙促進を行うことにより,脳卒中の発病率を大幅に減少させることが可能だ」と結論付けている。

 

脳梗塞を発症するリスクが4倍になる「夜間高血圧」

 

健康診断で血圧が「正常値」とされている男女11名について、24時間の血圧を計測してみたところ、そのうちの4名が睡眠中に「夜間高血圧」の状態にあることが判明した。

 

夜間高血圧は、日本高血圧学会が注目している危険な状態である。すなわち国内外の疫学調査において夜間高血圧の人は、正常な人と比べて脳梗塞を発症する危険性が約4倍も高いことが分かっている。動脈硬化によって頸動脈の血管壁にある血圧センサーの役割をする「圧受容体」の機能が低下し、睡眠中の血圧を抑える働きが阻害されることによるという。この圧受容体は頸動脈の血管壁にある細胞。寝ているときには血管を拡張し血圧を正常にする。夜間高血圧は生活習慣の乱れで誰でも起こり得る状態であり、その予防には規則正しい生活に心掛けることが大切である


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