親、兄弟が脳卒中でした。私もかからないか心配です

 

 脳卒中のうち「くも膜下出血」には遺伝性があります。それは、くも膜下出血の原因のほとんどを占める脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)に遺伝性があるからです。脳動脈瘤とは頭の動脈にできた血管のコブのことです。親兄弟が「くも膜下出血」かかった方では、一度は知らないうちに脳動脈瘤が出来ていないかどうかを、MRA検査などで調べておいた方が良いでしょう。

 

 脳出血の原因は高血圧ですが、高血圧には遺伝性があります。そこで親兄弟が脳出血にかかった方では、定期的に血圧を測定し、高い場合には、血圧の薬などで血圧を正常にコントロールしておけば、脳出血にかかるのを防ぐことができます。

 脳梗塞の危険因子には、高血圧、高脂質血症(血液中のコレステロールが高い)、糖尿病があります。この3つの危険因子には遺伝性があることがあります。すなわち血圧が高い、血液中のコレステロールが高い、血糖が高ければ、それをお薬などで正常に保つようにすれば、脳梗塞にかかるのを防ぐことができます。なお、血圧が高くても、血液中のコレステロールが高くても、あるいは血糖が高くても、普段は症状といったものがありません。そこで、それと気づかず、手遅れになってしまうことが多いのです。つまり、積極的に健康診断などを受け、血圧、コレステロール、血糖のチエックを怠らないことが大切です。

頸性めまい −首からくるめまいー

めまいの原因のほとんどは「耳の病気」や「脳の病気」によるものです。一方、多くはありませんが首が原因でめまいが起こることもあります。

1)、「首の筋肉のこり」によるめまい

首の筋肉がこって、首の筋肉の緊張が強くなった時、めまいが起こることがあります。首の筋肉の緊張によるめまいは回転性ではなく、多くはフラフラ感、すなわち浮動性めまいです。首の筋肉は肩や頭とつながっていますから、首の筋緊張は肩や頭の筋肉も緊張していることを意味します。肩の筋肉の緊張は「肩こり」、頭の筋肉の緊張は「頭痛」「頭が重い」という症状になって現れます。 ですから、首の筋緊張異常によるフラフラ感の人は「頭が重い」という症状を伴うこともしばしばです。

2)頭を回転させた際、すなわち首をねじった時に起こるめまい: 頭の回転により、頸椎に出来た骨棘(骨の飛び出し)が脳へ行く動脈を圧迫するため、脳のめまいの中枢へ行く血流が悪くなると、めまいが起こることがあります。

3)交感神経性のめまい: 頭を回転させたり、首をねじった際に、首の骨の中を走り、脳へ行く椎骨動脈の表面を囲む交感神経繊維(自律神経のひとつ)に影響が及ぶと,めまいが起こることがあります。これをバレーライオー症候群と言います。2)、3)の場合はフラフラ感だけでなく、回転性のめまいがおこることもあります.


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