患者さんからの質問

 

60歳女性、日頃、脂っこいものはほとんど食べていないのに、血液検査でコレステロールが高いと言われました。どうしてでしょうか?

 

女性は更年期を過ぎると、女性ホルモンの分泌が低下し、そのせいで食事とは関係なく、急速に血液中のコレステロールが上昇します。それに伴って心臓病などの動脈硬化による病気が増えてくるのです。

 

健康診断で LDLコレステロールが高いので動脈硬化の危険があると言われました。LDLコレステロールってなんですか?

 

コレステロールにはLDLコレステロールとHDLコレステロールとがあります。そのうちのLDLコレステロールが増えると、動脈硬化などの原因になることから、悪玉コレステロールと呼ばれるのです。

 

血液検査でHDLコレステロールが低いので動脈硬化になりやすいと言われました。HDLコレステロールってなんですか?

 

HDLコレステロールには動脈硬化のもとになるLDLコレステロールを回収し肝臓に運んで燃やしてしまうという働きがあります。そこで、血液中にHDLコレステロールが多いと動脈硬化の予防になりますので、善玉コレステロールと呼ばれるのです。逆に低いと動脈硬化にかかりやすくなります。HDLコレステロールは軽い運動を続けると増えますが、運動不足、喫煙、肥満などで減少します。HDLコレステロールを増やすには食生活を見直し、食べすぎをやめて、腹八分目にして適正体重に保つ、そして定期的な運動習慣が大切です。

 

HbA1cが高いので糖尿病と言われました。血液検査の際に食事をしてきてしまいましたが、この食事のせいではないでしょうか?

 

糖尿病にかかっているかどうかを調べる際。血糖は測った時間によりさまざまな値となります。すなわち食事の影響を受け、食後に高くなり空腹時には低くなります。一方、血糖と違ってHbA1c(ヘモグロビンA1C)は、血液検査をした日から過去1ヶ月月間の血糖の状態を現し、血糖の高い状態が続くと高い値になりますが、直前の食事の影響は受けません。正常値は5.8%まで、6.5%以上なら糖尿病と考えて間違いありません。なお糖尿病の方では合併症を防ぐためHbA1c7%以下に保つことが大切です。

血液検査でBNP(ビーエヌピー)が高いので心臓が弱っているといわれました。BNPってなんですか?

 

心臓の力が弱くなった状態を心不全と言います。BNPは心臓機能が低下すると上昇、すなわち心不全の重症化とともに高くなります。BNPを測ることにより血液検査で心臓の機能の程度を知ることができるのです。心不全になると、初期には坂道を上ったり、階段を上がったりすると「息切れ」が出たりします。ひどくなると平地での歩行でも、あるいは安静にしている時でも息苦しくなり、呼吸困難が起こります。また、体の各部分、例えば足に「むくみ」を生じたりしますが、これを浮腫と言います。

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