めまいの話

 

めまいは、1、グルグル目が回る、2、フワフワふらつく、3、クラッとする(フーとなる)の3つのタイプに分けられます。まず、自分自身がグルグル回る、あるいは周囲がグルグル回る、このタイプのめまいを「回転性めまい」と言います。この「回転性のめまい」は耳か脳のどちらかの病気で起こります。なお、耳が原因の場合、めまいだけでなく、音が聞えにくい(難聴)、耳がつまった感じ(耳閉感)がする、耳鳴りがするなどの聴覚系の症状を伴うことがしばしばです。

 

次に、体がフワフワした感じでふらつく、まっすぐに歩けないなどの場合、これを「浮動性めまい」と言います。この「浮動性めまい」の多くは、が原因で起こります。最後に、立ちくらみのようなめまい、急にフーッとなる、クラッとする、このタイプは脳貧血、すなわち一瞬、脳に血液が届かなくなるために起こります。同時に目の前が暗くなったり、失神と言って意識を失って倒れることもあります。その原因としては急激な血圧低下、心臓の不整脈、動脈硬化で脳への動脈が狭くなっている場合などが考えられます。

 

一般には、あまり知られていないようですが、「脳が原因で起こるめまい」が、結構多く、そのほとんどが脳卒中、特に脳梗塞あるいは脳梗塞の前触れによるものです。この「脳が原因で起こるめまい」は、命にかかわったり、そうでなくても放置していると後遺症を残したりする場合が多いので注意が必要です。すなわち、めまいが起こった時は、後で手遅れにならないよう「脳が原因で起こっためまい」ではないかと疑ってみることが大切です。

 

耳が原因で起こるめまいのうち、最も有名な病気がメニエール病です。それほど多い病気ではないのですが、名前があまりに有名になってしまったせいで、めまいを起こした方のほとんど、なんでもかんでもメニエール病と診断してしまうお医者さんもおられます。実際のメニエール病は、30歳台後半から40歳台前半の女性に多い、めまいの発作を繰り返す病気です。発作は一度切りということはありません。必ず何度も起こします。そして、どんな発作かと言いますと、回転性のめまいが突然に起こり、これが、たいていの場合、数時間続きます。また、ここが大事なのですが、メニエール病では、めまいと一緒に難聴や耳の塞がった感じ、あるいは耳鳴りなどの耳の症状が現れます。これらの耳の症状はめまいの軽快とともに元に戻ります。逆に、耳鳴りも難聴もなければ、そもそもメニエール病と診断できないのです。

 

次に有名な「耳が原因で起こるめまい」が良性発作性頭位めまい症です。一時期、やはり、なんでもかんでも、この良性発作性頭位めまい症と診断してしまうお医者さんが多かったようです。このめまいは、ある特定の位置に頭を動かすことで(めまい頭位)めまいが起こります。しばしば寝床に入る際、すなわち頭を後ろに下げた時に、グルグル回る、回転性のめまいが起こりますが、頭を元に戻すと、めまいはすぐに止まります。なお、頭を動かさない限りめまいは絶対に起こりません。また、回転性のめまい以外に、体のふらつきを自覚したりすることもありません。

 

さて、あなたのめまい、脳は大丈夫ですか?

 

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