「突然起きるしびれ」に注意。「しびれ」は脳や神経の病気の危険信号。

「しびれる」と言いましても、リウマチの“手指のこわばり”、あるいは手足に力が入らないことを「しびれ」と言う方もおられます.手足が動きにくい症状を運動麻痺と言いますが、この運動麻痺の「痺」の字は、「しびれ」と言う意味ですから,あながち間違いとも言えないのです。しかし医学的な「しびれ」は、正座した後に足がしびれるというような感覚神経の症状を言います。神経は脳からの命令を体の各部位に伝えたり、皮膚や筋肉から受け取った刺激を脳に伝える役割をはたしています。この神経の経路のどこかが障害されると、異常な刺激が脳に伝わり「しびれ」が起こります。つまり「しびれ」は、神経や脳が発している危険信号でもあるのです。

ところで「しびれ」は、神経内科の珍しい病気を除けば、神経の圧迫性病変、すなわち何かが神経を圧迫しているために起こっていることがほとんどです。あらゆる「しびれ」の中で最も多いのは,手根管症候群、すなわち手首のところで、手に行く神経が圧迫されて主に手指がしびれる病気です.次に脳血管障害(脳卒中)によるしびれがあります。

一番怖いしびれが、この脳梗塞など脳卒中によるもの。様子を見ているうちに手足の麻痺が起こったりして手遅れになることも。

脳卒中の特徴は突然に起こることです。そこで突然しびれが起こったなら、たとえ軽いしびれでも医療機関を受診したほうが良いでしょう。それから,比較的多いもので,よそで診断がつかなくて患者さんが悩んでおられるのは太股の部分がしびれる異常感覚性大腿痛(外側大腿皮神経痛)です.

頸椎に「棘:トゲ」ができると、神経を圧迫して、手足のしびれや歩行障害が起こる。

高齢会社会を迎え、最近増えているのが、このタイプのしびれ。頸椎には、脳から手足への命令や、逆に手足からの感覚の通り道である脊髄が通っています。加齢とともに頸椎の骨(椎体)の間にある椎間板の老化が始まります。この椎間板が薄くなると、飛び出したり(椎間板ヘルニア)、骨の飛び出し(骨棘:トゲ)ができたりします。この椎間板ヘルニアや骨棘が脊髄や手に行く神経の枝を圧迫すると、手足のしびれが起こります。ひどくなると手足の運動麻痺が起こり、箸が使いにくい、字が書きづらい、ボタンを留めにくいなどの症状、そして階段を上りにくい、歩行に際しつまづくなどの歩行障害を起こすことになります。同じく、腰の部分から足にゆく坐骨神経が、椎間板ヘルニアや骨棘により圧迫されると下肢のしびれや痛みが起こります。

 

「間欠性跛行」は「腰部脊椎管狭窄症」、「閉塞性動脈硬化症」が二大原因。

 

歩き始めてしばらくすると、足のしびれや痛みが起こり歩けなくなるが、休むと良くなる。これを「間欠性跛行」と言います。足の血流が悪くなることで起こる「閉塞性動脈硬化症」、あるいは腰から出て足に行く神経の通り道が椎間板ヘルニアや骨棘で狭くなって起こる「腰部脊椎管狭窄症」が二大原因です。

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