一過性脳虚血発作(TIA)は脳梗塞の前ぶれ

 

突然に半身の手足の麻痺やしびれ、言語障害などの症状が起こり、数分から数時間のうちに、その症状は跡形もなく消失する。このようなものを一過性脳虚血発作と言います。この一過性脳虚血発作にかかっても、通常、すぐに治ってしまうことから、どうしても様子を見てしまいがちです。しかし、同じような発作を何度か繰り返しているうちに、数年以内に2030%の方が脳梗塞に発展すると言われますので注意が必要です。一度でも起こせば、すぐに医療機関に行って、精密検査、そして脳梗塞の予防を行ってもらう必要があります。
 

この一過性脳虚血発作の原因には大きく分けて2つあります。ひとつは、首の部分の動脈(頚部内頸動脈)や、脳の中の動脈に動脈硬化が起こり、そのせいで狭い部分が出来きた場合、その壁の部分で小さな血液の塊(血栓)ができやすくなります。その血液の塊(これを塞栓と言います)がはがれて、そこから先の方に流れていって、脳の動脈を一時的に詰まらせてしまうのです。そして、詰まった血栓が、しばらくして溶けて流れ去ってしまうと、症状が改善することになります。

 

もうひとつは、動脈硬化が進んで血管が狭くなっている部分がありますと、血圧の変動、すなわち普段より血圧が下がったりした際などに、その先への血液の流れが減ってしまうことがあります。そして、血圧の回復に伴って減少した血流が元に戻ると、狭窄部分の先にも十分な血液が流れるようになって、やはり、症状が改善することになります。



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