知ってるようで知らない脳卒中

 

脳卒中という病気があると思っておられる方が多いのですが、脳卒中はひとつの病気ではなくて、いくつかの病気の集まりなのです。脳卒中には「脳の血管が詰まるタイプ」の病気と、「脳の血管が破れる出血タイプ」の病気とがあります。

 

詰まるタイプが脳梗塞、出血するタイプが脳出血やくも膜下出血です。詰まるタイプには、さらに2つのタイプがあります。ひとつは動脈硬化、すなわち高血圧や血液中のコレステロールが高い状態、糖尿病などが長い間続いて、そのせいで起こるタイプ、それと心臓の不整脈が原因で起こるタイプとがあります。

 

脳出血の原因は、高血圧が続いたことによります。くも膜下出血の原因は頭の中の血管に知らないうちに出来た血管のコブが破れて出血することによります。

 

突然に起こったら脳卒中を疑う

 

脳卒中にかかった方は、たいてい今までどうもなかったのに「なぜ」とよくおっしゃいます。その理由は、もともと脳卒中は何の前ぶれもなく、突然に起こるのが特徴だからです。数日前からではなく、昨日の晩まではどうもなかったのに「朝起きたら半身が麻痺しているのに気づいた」などというのが典型的な起こり方です。そもそも脳卒中という言葉の「卒」には「にわかに、突然に」という意味が、そして「中」には「何かにあたったように倒れる」という意味があるのです。

 

ただし脳卒中にかかる方は、危険因子、すなわち高血圧や 高脂血症(血液中のコレステロールが高い)、糖尿病などを持っておられることがほとんどです。それらの危険因子が長い間に積み重なって最後に発病するのです。これらの危険因子は、それにかっていても症状といったものがないことが多いので、健康診断を受けたりしない限り、それにかかっていることに気づかない、そんなことで、治療の開始が遅れてしまうことになりがちなのです。

 

こんな症状が起こったら脳卒中のサイン

 

しびれと脱力 顔面や片側の手足がしびれる、片側の手足に力が入らない(麻痺)、手に持ったハシやペンを落としてしまう、片足を引きずる、ちょっとした段差でつまずく、スリッパが脱げる、歩行中、片側に傾いてゆくというような症状で気付かれることもあります。

 

しやべれない、ろれつが回らない 言語障害のうち、ひとつは失語症、すなわち脳の言語中枢の障害のため、思ったことを口に出して言えない場合(運動性失語)と、話しかけられても相手の言っていることが理解できない場合(感覚性失語)があり、もうひとつは構語障害と言って、お酒に酔ったみたいに「ろれつが回りにくくなる」場合とがあります。

 

物が二つに見える、視野(視界)の半分が急に見えにくくなる(視野障害)や、急に片側の目が真っ暗になり見えなくなった。

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