急にドキドキしたら?

 心臓には左右の心房と心室があり筋肉でできています。心臓の筋肉を規則正しく動かすためには電気信号による命令が必要なのですが、この信号は心房にある洞結節(ペースメーカー)から出て、心臓の中を伝わります。この信号がうまく伝わらなくなると不整脈が起こり、動悸(どうき)が起こります。

 

最近、高齢化に伴い心房細動という不整脈にかかる方が増えています。欧米では高齢者の4人に1人が心房細動を発症するといわれ、日本でもこれから同じように増えていくと考えられています。

 

心房細動とは不整脈の一種で、「脈拍が規則正しく打たず、全くばらばらになっている」状態です。心臓はペースメーカーが発信する、

1分間に60100回の規則正しい電気刺激により動いています。洞結節から発信された電気信号は、まず心房に伝わり心房を収縮させ、次に房室結節という通路を通って心室に伝わり心室を収縮させ血液を全身に押し出します。

ところが心房の興奮性が高まると、心房から1分間に350回以上もの細かい電気刺激が勝手に出て心房を収縮させてしまうのです。その収縮はあまりにも早いため、規則正しい収縮にはならず、細かく震えるような動きだけとなるため心房細動と呼ばれています。


 心房の興奮が高まる原因として、心筋梗塞や心筋症、弁膜症といった心臓自身の病気、あるいは甲状腺の病気、高血圧や糖尿病が原因となり心房に負担がかかったため、またストレスや自律神経の異常が原因となり心房が興奮しやすくなることもあります。


 心房細動そのものはすぐに命にかかわる疾患ではありません。しかし心臓のポンプ能力が低下し、「心不全」という状態になることがあります。また、心房の内部に血流の淀み(よどみ)ができ、そのせいで血の塊(血栓)が出来て、これが脳の血管に流れてゆき脳梗塞を起こすことがあります。これを「脳塞栓(のうそくせん)」と言います。そこで心房細動にかかったら、この脳塞栓を予防することが大切です。

?疾患の検査には胸部X線検査

「心臓病の基本検査として胸部エックス線検査も重要です」。「肺がんの間違いでは?」と思う人が多いのではないでしょうか。確かに胸部X線検査は、肺炎、肺結核、肺がんの早期発見や診断には欠かせない検査なのですが、実は心臓病の診断にも不可欠な検査なのです。 

 

  胸部エックス線検査では心臓の大きさが分かります。心臓に肥大があると、何らかの原因で心臓に負荷がかかっていることが分かります。「心臓弁膜症」でも心臓は肥大しますし、「心筋梗塞」で心不全状態なると、やはり心臓は肥大します。 また、心臓から血液が押し出されると、大動脈を通って全身に流れて行きます。胸の大動脈での怖い病気としては、石原裕次郎さんがかかった、「胸部大動脈瘤(りゅう)」があります。これも、胸部エックス線検査で分かります。胸部大動脈瘤があると大動脈が太く、あるいは幅広く写ったりします。

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