長引く咳、しっこい咳、何の咳?

 

咳は、ウィルス、ほこり、煙、食べ物などの異物から、肺、気管、気管支を守るために起こる防御反応です。咳は、気道にたまった痰 (たん) を外に出す役割も担っています。しかし、ひどい咳は苦しいものです。咳が出はじめた頃の原因としては感染症が多く、最近はマイコプラズマ感染症や百日咳、クラミジア感染なども注目されています。

 

風邪が治ったのに、咳だけが続く

 

咳が3週間以上続く場合、感染症の可能性は少なくなってきます。そこまで続いた場合は、結核や肺癌、間質性肺炎などのチエックのため胸部レントゲン撮影を受けておいたほうが良いでしょう。

 

それ以外の原因には、胃液の食道への逆流による刺激で起こる胃食道逆流症、副鼻腔炎により鼻汁が気管に流れこむ後鼻漏による副鼻腔気管支症候群もあります。

 

また、「かぜ」は治ったはずなのに、咳がちっとも治まらない、そんな状態が続く場合、咳喘息やアトピー咳嗽かも知れません。

 

咳喘息

 

 咳喘息は、一カ月以上、空咳(からぜき)が続く気管支の病気です。アレルギー反応によって、気道が炎症を起こすため、夜中から明け方に激しい咳が出たり、室内外の温度差や、たばこの煙、運動、飲酒、ストレスなどのほか、ホコリやダニなどのいわゆるハウスダストが原因になるといわれます。普通の喘息と同様、気道(呼吸をするときに空気の通る道)が狭くなり、いろいろな刺激に対して過敏になって、炎症や咳の発作が起こります。ただし、喘息に見られるゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴(ぜいめい)や呼吸困難は起こりません。また、発熱や痰(たん)などの症状はほとんど出ません。

 

咳喘息は、喘息の前段階ともいわれます。咳喘息を放置すると、放っておくと34割は喘息に移行することがあるので、その前に正しい治療を受けることが大切です。

 

アトピー咳嗽

 

アトピー咳嗽は、アレルギーの関与により気道にある「咳の神経」が敏感(過敏)になることが原因で起こります。すなわち咳をするための感度が亢進しすぎて、ちょっとしたことで咳をしてしまうのです。いつも同じ時期に咳が出るとか、ほかにアトピー性皮膚炎や花粉症をお持ちの場合には、アトピー咳嗽である可能性が高くなります。

 

咳喘息との違いは、喘息の代表的な治療薬である気管支拡張薬は効かず、抗ヒスタミン作用を有する薬剤、いわゆる抗アレルギー薬の効果がみられることです。治療に際し、吸入ステロイド薬が併用されることも少なくありません。なおアトピー咳嗽は喘息に移行することはありません。

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