危険な頭痛

 

突然の激しい頭痛

 

くも膜下出血かもしれません。クモ膜下出血では頭痛が突然に起こり、必ず起こった時間がはっきりしているのが特徴です。急に頭が痛くなり、「思わず時計を見たら秒だった」、「誰かに後ろ頭をハンマーで殴られたみたいに急にガーンと痛くなった」。このように、突然、雷が落ちたみたいに起こった強い頭痛を雷鳴(らいめい)頭痛と言います。

 

 通常、吐き気や嘔吐も起こります。頭痛持ちの患者さんでも、いつもの頭痛と同じかどうか尋ねると、「いつもの頭痛と違う」とおっしゃいます。雷鳴頭痛の多くが、脳動脈瘤(どうみゃくりゅう)が破裂したことで起こるくも膜下出血だからです。

 

ズキンズキン、後頭部が脈打つように痛む

 

 急に片方の頭がズキンズキン痛みだした場合、片頭痛のときもありますが、片頭痛では、以前から同じタイプの頭痛が何度も起こっているのが普通です。

 

今まで経験がない頭痛で、ズキンズキンと痛み、それが後頭部の痛みであれば脳動脈解離を疑います。動脈解離とは、内膜、中膜、外膜の3層になっている動脈の壁のうち、一番内側の内膜の壁が裂け、そこから血液が血管の壁の中に入り込んだ状態です。内膜と中膜の間が裂けると、血液の通り道が狭くなって脳梗塞が起きたり、中膜と外膜の間も裂けると、血液が動脈の外に漏れ出しくも膜下出血を起こしたりすることもあります。

 

心配なしびれ

 

口の周りのしびれ、特に突然口の周の片側だけと同じ側の手のひらもしびれた場合、脳梗塞の前触れの場合があります。

年配の方で顎(アゴ)がしびれた場合、悪性腫瘍,とくに血液やリンパ系悪性腫瘍の下顎骨転移の場合があります。

 

急に片側のマブタが下がってきた時は

「くも膜下出血の前ぶれ」

 

片側のマブタが下がる(眼瞼下垂:がんけんかすい)、物が二重に見える(複視:ふくし)と言った症状が急に起こった場合、脳梗塞などの脳卒中や、「くも膜下出血の前ぶれ」のことがあります。

 

なかでもくも膜下出血の原因である脳動脈瘤が破裂寸前になると、マブタを上げるのに働く動眼神経(どうがんしんけい)が圧迫されて起こることがあります。すなわち、急に片側のマブタが下がってきた時は、「くも膜下出血」の前ぶれであることがあり、もしそうなら「生命の危険が迫っている」状態ですので、手遅れになる前に医療機関を受診しましょう。

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