夏 脳梗塞にご注意

 

「脳卒中は冬に多い」と思われていますが、脳梗塞はむしろ夏に多く注意が必要です。夏に脳梗塞が起こりやすい理由は、脱水による体内の水分不足です。夏は汗を多くかくため、それに見合った量の水分を補給しないと、体が脱水症状、すなわち血液が「ドロドロ状態」となります。その結果、血管が詰まりやすくなるのです。特に就寝中に脱水が起こりやすく、また夜間に血圧が下がり、血流が滞って血管が詰まりやすくなり、脳梗塞を発症しやすくなるのです。

 

<夏の脳梗塞対策>

脱水にならないよう、こまめな水分補給が重要です。特に高齢者はのどの渇きを感じにくく、定期的に水分補給してください。就寝前にコップ1杯の水を飲みましょう。また暑いときは無理して我慢せず、適度な設定温度でクーラーを利用するなど、体調に無理のない範囲で節電することが大切です。

 

夏の脳梗塞予防のポイント

こまめな水分補給

アルコールの飲み過ぎは禁物

暑さを我慢し過ぎずに、適度な空調を保つ

(国立循環器病研究センター(脳血管内科)

米国の若年成人で脳卒中が増加

 

米国立慢性疾患予防・健康増進センター(NCCDPHP)の研究者は、19952012年のNational Inpatient SampleNIS)の入院データを解析し、この期間に米国の若年成人では急性期脳梗塞による入院が増加(若年男性で入院が倍増、55歳以上は変化なし)するとともに、脳卒中の危険因子の保有率が上昇したと発表した(JAMA Neurol)。同氏らは「今回の結果は、若年成人の健康増進に目を向けるべきであるという警告になるはずだ」と述べている。

 

 この研究では19952012年の入院の理由がくも膜下出血、脳内出血または急性期脳梗塞である1864歳の入院データを抽出解析した。

 

 その結果、1854歳の男女で、急性期脳梗塞による入院率が有意に上昇していた。特に、1834歳および3544歳の男性では、入院率が約2倍に上昇していた。

 

複数の危険因子保有率が全年齢で上昇

 

 脳卒中危険因子の解析では、急性期脳梗塞で入院した全ての年齢群の男女において危険因子(高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満)の保有率が上昇していた。特に、1834歳の男性では同期間に高血圧の有病率が34.0%から41.3%に上昇し、脂質異常症(高脂血症)の有病率は14.6%から29.1%に上昇していた。また、3個以上の危険因子の保有率は、急性期脳梗塞で入院した全ての年齢群の男女で約2倍に上昇し、脳内出血で入院した全ての年齢群の男女でも有意に上昇していた。

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