夏本番、脳卒中警報、発令中

 

脳梗塞は夏に多い病気です。そもそも脳卒中は冬に多いというイメージがありますが,脳卒中死亡者の6割を占める脳梗塞に限ると、一年のうち夏(68月)に最も多いのです。

 

その理由は、夏は汗をかいたりして体内の水分が不足しやすく,脱水状態になりがちです。すると血液がドロドロとした状態となり,そのせいで血流が悪くなったり,血栓ができやすくなったりして脳梗塞,心筋梗塞,熱中症などの危険性が高まるのです。特に,就寝中は水分をとらないため脱水状態になりやすく,また血圧が下がるため血流が滞りやすく,脳の血管が詰まりやすくなります。そのせいで早朝起床時は,1日の中でも脳梗塞の発症が多い時間帯です。

 

夏の脳梗塞対策とは?

    

脱水状態にならないよう,早めにこまめに水分補給をしましょう。のどの渇きは,脱水状態が始まっている証拠です。渇きを感じてから水を飲むのではなく,渇きを感じる前に水分をとることが大切です。寝る前,起床時,スポーツ中・スポーツの前後,入浴の前後,飲酒中・飲酒後,そしてのどが渇く前に,こまめな水分補給を心がけましょう。特に高齢の方ではのどの渇きを感じにくくなっていますので、定期的に水分補給に心掛けることが大切です。

 

脳卒中とは?

 

脳卒中には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れて出血する「脳出血」と「くも膜下出血」があります。昔は脳出血が多かったのですが、近年、高コレステロール血症や糖尿病などが増えたため、血管が詰まる脳梗塞が増え、 その結果、脳卒中のうち脳梗塞が65%と、その大部分を占めるようになりました。

 

脳梗塞には次の3種類があります。(脳の太い血管の内側にコレステロールが溜まり、動脈をふさぐ「アテローム血栓性梗塞」、(高血圧のせいで脳の細い血管に動脈硬化が起こり、詰まってしまう「ラクナ梗塞」、(不整脈のせいで心臓にできた血栓が、脳の方へ流れてゆき血管をふさぐ「心原性脳塞栓症」。

 

脳梗塞が起こると、その先の細胞に栄養が届かなくなって、脳細胞が死んでしまうことになります。症状としては、急に倒れて意識がなくなったり、半身のマヒが起きたり、ろれつが回らなくなったりします。

 

脳の血管が詰まるタイプのうち24時間以内に症状が回復するものを一過性脳虚血発作と言いますが、脳梗塞の前触れ発作ともいわれますので、すぐに良くなったからといって安心できません。一時的な半身のマヒや手足のしびれ、ものが二重に見える、ちょっとの間、言葉が出てこなくなった、ろれつが回らなくなったといった症状には注意しましょう。

ページトップへ

inserted by FC2 system