家庭で血圧を測る習慣をつけましょう

 

血圧の値は、血液の量と、血管の抵抗の二つの要因によって決まります。血液の量が増える大きな原因は、塩分(ナトリウム)です。体は血液中のナトリウム濃度を一定に保つため、ナトリウム濃度が上がりかけると、水分を増やして薄めようとしますが、そのせいで血管の中の水分量(血液量)が増え、血管の壁にかかる負担(圧)が増えて、血圧が上がることになります。

 

血管の抵抗とは、血液の流れが受ける抵抗のことで、血管が狭くなることで生じます。なかでも重要な原因が動脈硬化です。動脈硬化が進んだ血管は、硬く狭くなってくるため、血管の抵抗が大きくなり、血圧が上がりやすくなります。高血圧は動脈硬化を進め、動脈硬化がさらに血圧を上昇させるという悪循環をきたすわけです。

 

高血圧は脳卒中や心筋梗塞につながる動脈硬化の大きな原因です。高血圧があってもほとんど症状は出ません。しかし症状がなくても危険です。高血圧の治療を受けている方、血圧が高目の方では、ふだんから血圧を測る習慣をつけ、自分で血圧の管理を行うことが大切です。

お薬を飲んでいる方でも、十分に下がっていない場合や、逆に下がり過ぎている場合もあり、薬の種類を変えたり、薬の量を調節してもらう必要があることもありますが、医療機関で月に1〜2回 昼間の血圧を測るだけでは、本当の血圧の状態を知ることができません。ふだん測定した血圧の値を記録しておいて、診察の際に主治医に見てもらいましょう。

家庭血圧を測定しないと分からない高血圧

 

家庭血圧が正常でも、緊張などで診察室に入ると血圧が上がってしまうのが、白衣高血圧です。特に治療は必要ありません。高血圧と間違えて薬を飲むと、血圧が下がり過ぎる場合もあります。

 

診察室での血圧が正常でも、家庭血圧が高い仮面高血圧は、家庭血圧を測定していないと見逃されてしまいます。しかし、危険度は持続性の高血圧と同じか、それ以上で、たとえば脳卒中に約3倍なりやすいというデーターもあり、治療が必要です。

 

朝と夜に起こる「早朝、夜間高血圧」、どちらも脳卒中や、心筋梗塞の発症が明らかに増えますが、病院での昼間の血圧測定だけでは分からないのです。

 

家庭血圧の正しい測り方(日本高血圧学会)

 

1、          上腕で測る血圧計を選びましょう。手首タイプはお勧めできません。

2、          椅子に座って1〜2分たってリラックスしてから測定する。

3、          血圧計のカフは、心臓と同じ高さで測定する。カフが心臓より低いと、数値が低くなるなど、正確な測定ができません、

4、          朝と晩に測定します。 

朝の測定:起床後1時間以内

朝食の前、服薬の前

晩の測定:就寝直前 

入浴や飲酒の直後は避ける
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