偏食でアルツハイマー病のリスク増加

 

自治医科大学神経内科のグループは、アルツハイマー病患者の生活習慣を調査した結果、患者の食事内容に偏りがあることに気づきました。認知症のない家族に比べ、患者の食事は魚と緑黄色野菜の摂取量が少なかったのだそうです。

 

この調査は48人の患者と、その家族77人の食生活について調べたもので、両者を比較したところ、1000kcal当たりの換算で家族が平均59.3gの魚を食べていたのに対し、患者は39.0gしか食べていませんでした。また、緑黄色野菜の摂取量も、家族は69.9gだったが、患者は45.9gと、こちらも患者のほうが食べていないことが分かりました。全体の食事内容でも、家族はおおむねバランスがとれていたのに対し、患者には偏食傾向が見られました。

 

さらに調べると、摂取している栄養素のうち、「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれる脂肪の一種のバランスが目立って悪いことが明らかになりました。多価不飽和脂肪酸には肉に多く含まれるリノール酸(n-6)と魚に多いα-リノレン酸(n-3系)があります。厚労省による栄養指針『日本人の栄養所要量』では、リノール酸とα-リノレン酸の比率は、リノール酸が4に対し、α-リノレン酸が1程度を目安としています(n6n341)。研究グループの調査では、患者の食事には、肉に多いリノール酸が、魚に多いα-リノレン酸に比べ、て平均4.3倍と高く、逆に家族は同3.4倍と低い傾向が出ました。

 

そこで若いときから肉類が好きで、多いときには週に3回以上焼き肉や豚カツを食べていた患者に、魚を中心にしたメニューに切り替えさせ、α-リノレン酸系のDHA(ドコサヘキサエン酸)製剤も併せて服用させた結果、簡便な脳機能テスト(MMSE)で初診時19点だったものが、最大で25点まで回復したそうです。治療をしないと通常は2年で56点は下がるといわれているテストでこれだけ点数が上昇するのには、やはりα-リノレン酸の力が関係しているようです。

 

カビが原因の「夏型過敏性肺炎」に注意。  週1回のカビ取り掃除が大切

 

咳や微熱など風邪のような症状から、悪化すると息切れがして呼吸が苦しくなる「夏型過敏性肺炎」。梅雨から夏にかけ増えるが、風呂場や押し入れなどの木材部分に発生するトリコスポロンと言うカビが原因。家で過ごす時間が多い主婦がかかることも多い。それ以外に職場のエアコンから発見されたクラドスポリウムというカビが原因の場合も。予防には1週間に1度はカビ取り掃除を行うことが大切。また室内に常に空気の流れを作り、湿気をこもらせない。収納スペースも下にすのこを敷き、少し扉を開けておくのが良い。

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