アルツハイマー病の予防には「生活習慣病にかからない食生活」が大切

 

ヨーロッパで3年前に発表された、1449人を20年に渡って追跡した研究によると、以下の項目があるとアルツハイマー病を中心とした認知症の危険度が増すことが分かりました。

高血圧      危険度1.97

高コレステロール 危険度1.89

肥満       危険度2.09

上の3つすべてにあてはまる場合 

危険度6.21

 

これらの状態は脳への血流に影響を与えたり、βタンパクを溜まりやすくしたりすることによって、アルツハイマー病になりやすくするのではないかと考えられています。

 

アルツハイマー病の発症に食習慣が深く関係

 

自治医科大学大宮医療センターの植木彰教授らの研究チームが、アルツハイマー病患者51名と同年齢の健康な人の食べている食事の中身を分析するという調査を行ったところ、患者の多くが脂肪酸などの摂取バランスが崩れていることが判った。

 

男性患者は摂取するエネルギー量が健康な人に比べて約3割程度多く、穀類・肉類・植物油の摂取量が特に目立った。一方、女性患者は 1日に必要なエネルギー量をとっていない人が多く、海草や緑黄色野菜の摂取量が非常に低いという結果だった。また、患者全員に共通した傾向として、青魚に多い不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の摂取割合が低いことも分かった。この結果から、植木教授は「1日80gの青魚、最低2回の緑黄色野菜を摂ることが痴呆の予防には大切」と指摘している。

 

若い脳を保つための食事のポイントは「減塩」「抗酸化」「コレステロール」

 

高血圧は認知症の危険因子のひとつ。塩分やコレステロールの摂りすぎは血管を老化させ、動脈硬化や脳梗塞を促す。また、活性酸素によって体の細胞が参加すると新陳代謝が妨げられ、老化を促してしまう。栄養バランスの良い食事をすることは、高血圧・動脈硬化などの生活習慣病だけでなく、認知症予防にも効果的と考えられる。

 

アルツハイマー病の予防には「話し相手を持つ」ことが大切

 

8年前にヨーロッパで発表された研究によると、1203人を3年間追跡した結果、家族や友達が多く社会的接触が多い人に比べ、乏しい人は認知症の発症率がおよそ8倍であった。

その理由として、会話をすることによって脳が活性化し、アルツハイマー病になるのを抑える効果があったのではないかと考えられている。

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