動悸、息切れに救心?

 

救心とは六神丸のことで、主要成分は漢方で使われる生薬成分、その内容はセンソ(下薬)/ゴオウ(上薬)/ジャコウ/ニンジン/レイヨウカク末/真珠/リュウノウ/動物胆などですが、主成分の蟾酥(せんそ)はアジアヒキガエルやヘリグロヒキガエルの耳腺分泌物を集め乾燥させたものとのことです。 

 

すなわち「救心」の成分にはカエルから抽出したジゴキシン様成分(心不全に使われる)が含まれているわけですが、このセンソで脈が速くなったりすることもあり、そのせいで頻脈発作が起こったり、なかには心筋梗塞を起こしたとの報告も散見されます。

 

  脈が早くても、遅くても、息が苦しくても、脈が乱れても「動悸」 と言われますが、そもそも何にでも効く薬といったものが、あるはずがありません。「動悸や息切れ」などの訴えの中には「本物の心臓の病気」による場合があり、なかには「心配な病気」の場合も少なくありません。

大切なことは「動悸や息切れ」の原因に、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患が隠れていないかをちゃんと診断し、手遅れにならないうち適切な治療を受けることなのです。例えば狭心症症状を「救心」でごまかしていた患者さんが、心筋梗塞を起こされ、手遅れになったというような事例は枚挙にいとまがありません。

 

正露丸

 

お腹が痛くなったら『正露丸』、歯が痛くなっても『正露丸』と、『正露丸』は万能薬として使われています。元々「正露丸」は、日露戦争のとき「腹痛で戦えない場合に、お腹をマヒさせて痛みを感じないようにし、一時的に戦えるようにする」ために作られた薬なのです。

 

正露丸の主成分は日局木クレオソート(にっきょく・もくクレオソート)という消毒剤の一種です。正露丸は常用量の2倍量程度の服用で腸管壊死をきたし腸切除にいたったなどの事例が発生しています。 また通常用量の4倍量を服用して、麻痺性イレウスと腸壊死、貧血および腎不全のため手術および透析を実施した例(放置されれば死亡した可能性が強い)が報告されています。一般薬として市販されていますが、この程度の服用量で重篤な副作用をきたす可能性がある危険な薬との認識を持つことが必用です。


 食あたりなどによる下痢は本来、消化吸収してはいけない体にとって悪いものを排出するための体の防衛反応です。薬で下痢を強制的に止めてしまうと、体に有害なものを吸収してしまい、病状を悪化させることにつながりかねません。

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