脳卒中にかかるには理由がある。高血圧、高脂血症、糖尿病、自覚症状がないからと言って放置しておくのは禁物

 

何の前ぶれもなく、手足の麻痺などが突然に起こる脳卒中。脳卒中は、一旦発作を起こすと命を取り留めても、体に麻痺や言語障害が残ることが多い。昨年、死因としては4位だったが、寝たきりになる人も多く、結局12万人以上が亡くなっている。食生活の西洋化、食べ過ぎ、運動不足などが原因で、最近、増加傾向にある。

脳卒中には、血管が詰まる「脳梗塞(こうそく)」と、血管が破れる「脳出血」とがあり、季節の変り目などでは、血圧の上がり下がりが起こりやすく、脳卒中を起こしやすい。

最近では、脳梗塞が脳卒中全体の7割を占める。脳梗塞の原因のうち、一番多いのが高血圧、血圧のせいで血管がやられて詰まってしまう。次に多いのが高脂血症(脂質異常症)、血液中のコレステロールが高いせいで、余分な脂肪が血管にたまって動脈硬化が起こり、狭くなった頭の血管が詰まって起こる。それ以外に最近増えているのが脳塞栓(そくせん)、心臓の不整脈によってできた血栓(血液の塊)が脳に流れて行き、血管に詰まりを引き起こす。

 血管が破れる脳出血は、高血圧を放置していたせいで弱った細い血管が突然に切れて起こる。働き盛りの世代が突然襲われることが多いのがくも膜下出血。太い血管の分かれ目にできたこぶ(動脈瘤(どうみゃくりゅう))が突然破裂し、ひとたび起こせば半数が死亡することになる。

 脳卒中を予防するには、普段から血圧や脈拍に関心を持つことが大切。血液検査でコレステロールや血糖が高い場合、自覚症状がないから大丈夫だろうと放置していてはいけない。

 脳梗塞につながる動脈硬化を予防するには、高血圧や糖尿病、コレステロールの上昇などに気をつける。脳塞栓は、「心房細動」と呼ばれる不整脈が原因なので、動悸を自覚したら医療機関で心電図検査を受けるのが良い。

脳卒中の5大危険因子(まとめ)

1.高血圧:血圧が140/90mmHg以上のこと。

2.糖尿病:食べ過ぎ、運動不足。

3.脂質異常症:血液中の悪玉LDLコレステロールが高い場合

4.不整脈(心房細動)

5.喫煙:ニコチンは血圧を上昇させたり、動脈硬化を促進すると言われる。

そのほか肥満、過度の飲酒、運動不足などが脳卒中の危険因子。

 

予防の基本は規則正しい生活、適度な運動など生活習慣の改善、そして腹八分目にして動物性脂肪を控えるなどの食習慣の改善。

 

それでも十分な効果が見られないときは薬物療法を併用する必要がある。

ページトップへ

inserted by FC2 system