動脈硬化とは?

 

年齢とともに動脈の壁に血液中の脂質(コレステロールなど)が貯まってきますと、動脈壁の弾力性が失われ硬くなり、また動脈が狭くなって血液の流れが滞る原因となります。こういった状態を動脈硬化といいます。

 

 動脈硬化には、(1) 粥状(じゅくじょう)硬化(アテローム硬化)、(2) 細動脈(さいどうみゃく)硬化などのタイプがあります。動脈の壁は内膜、中膜、外膜の三層からなっていますが、粥状硬化は、大動脈、脳の動脈、冠動脈(心臓の動脈)など比較的太い動脈に起こる動脈硬化で、動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪がたまって粥腫(じゅくしゅ)(アテローム)ができ、それが次第に厚くなって、そのため動脈の内腔が狭くなります。そうこうしているうちに、ある日突然、粥腫が動脈の内腔に破れ、そこに血栓(血液の塊)がつくられると、動脈は完全に詰まってしまうことになります。 このような機序で心筋梗塞や脳血栓(脳梗塞)が起こるのです。


 粥腫のもとになる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は、動物性脂肪に多く含まれています。一方、善玉コレステロール(HDLコレステロール)は、動脈硬化を抑える作用があります。中性脂肪も動脈硬化を促すといわれ食べ過ぎやアルコールの摂取などで上昇します。 


 細動脈硬化は、脳や腎臓のなかの細い動脈が硬化して血液の流れが滞るタイプの動脈硬化です。このタイプは高血圧が長く続くことによって引き起こされますが、この細動脈硬化も脳梗塞などの原因となります。 


 動脈硬化を引き起こすことになる原因を“危険因子”と呼びます。それには脂質異常症高脂血症、高コレステロール血症)、高血圧糖尿病、喫煙、高尿酸血、肥満、運動不足などがあげられます。 予防のためには食事や運動などの食生活や生活習慣を改善し、危険因子の除去に努めることが重要です。 


(1)
運動  肥満は動脈硬化の進行を早めるので、「腹八分目」にして、食べすぎに気をつけるとともに、日ごろから体を動かすことが大切です。ウォーキングを毎日続けると中性脂肪が減り、善玉コレステロールが増え、動脈硬化に良い効果があります。また運動は高血圧糖尿病の予防にもなります。 


(2)
食事療法  動脈硬化の進行を早める動物性脂肪をとりすぎないように注意します。植物性脂肪や、蛋白質では魚肉や大豆を増やすようにします。 イワシ、サバ、サンマなどの青魚には、血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させて、血液が固まりにくくする作用があります。また、食物繊維は小腸でコレステロールの吸収を妨げて、体外に排泄する作用があります。ゴボウなどの野菜、海藻類、キノコ類、コンニャクなどに多く含まれていて、肥満防止にもなります。 塩分のとりすぎは高血圧、食べ過ぎは糖尿病などの原因になるため、注意が必要です。アルコールはほどほどにして、たばこはやめるのがいちばんです。 

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