「ねこ背」

 

一度悪くなってしまった姿勢はなかなか直すことができない。特に「ねこ背」はクセになってしまうと、立っているときも座っているときも背中が丸まってしまい、見た目が悪くなるだけでなく、腰や背中にかけての鈍痛をもたらす腰痛症,頚・肩凝りを主訴とする頚肩腕痛の原因となり,小・中学生の若年者から高齢者まで幅広い年代を悩ませる要因となっている。

「国民生活基礎調査の概況」によると腰痛は自覚症状で男性1位,女性2位,一方,頚肩腕痛は自覚症状で男性2位,女性1位といずれも上位を占め,不良姿勢との関係が示唆される。なかでも「近頃の子供は姿勢が悪くなった」など姿勢の乱れを指摘する文献もみられる。そして近年,運動不足や不良姿勢が原因とみられる子供の肩凝りの報告も多い。また成人では、長時間のパソコン作業、スマートフォンを見続ける、デスクワークが多い、このような「ねこ背」となりやすい環境要因の出現もあって増えていると考えられる。

 

パソコン作業から来る肩こり、頭痛

 

うつむいた姿勢でのパソコンによる長時間の作業は、肩こりの原因になります。肩こりがひどくなると頭痛(緊張型頭痛)が起こることになります。パソコンの作業による肩こりの原因として、長時間同じ「うつむき姿勢」を続けている事があげられます。同じ姿勢のまま作業を続けていると、首や肩の筋肉が緊張したままとなり、筋肉内の血液循環が悪くなります。血液が十分に供給されないと、筋肉への酸素や栄養も行き渡らなくなり、徐々に乳酸などの疲労物質がたまってきます。その結果、筋肉が硬直し、「肩や首のこり」が起きてくるのです。

 

パソコン作業による肩こりを防ぐには

 

パソコン作業による肩こりを防ぐには、まず椅子にすわる姿勢に気を配りましょう。背筋をまっすぐに伸ばして座るようにすると、血液の循環があまり妨げられません。また、椅子の背もたれの部分にクッションなどを置くようにすると、自然に背筋が伸び、楽な姿勢で作業をする事ができます。何よりも長時間の作業を続けない事が大切です。パソコン作業による肩こりを防ぐには、1時間の作業を続けたら5分の休憩を入れるという事を習慣にしましょう。そして休憩中に首や肩のストレッチ運動を行うことが効果的です。椅子に座ったままできるストレッチとして、両肩を上に上げ、ストンと落とすといった方法があります。また、首を前方に曲げ、3秒くらいしたら、次に上を向いて3秒というストレッチを3〜5回繰り返すと、肩の緊張を取り、血液の循環を良くする事ができます。

普段から「肩がこっているな」と感じたら肩の部分の筋肉を温めたり、マッサージをしたり、ストレッチなどをして血液の循環を良くしておきましょう。また、肩がこっている時の解消法として、入浴も効果的です。お湯にゆっくり浸かるだけでも全身の血行が良くなり、肩の疲労物質がとれてきます。

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