米疾病対策センター(CDC)は昨年11月に抗菌薬の適正使用を推進するキャンペーン“Get Smart About Antibiotics Week”を行った

このキャンペーンで、一般の方や医療関係者に対し、抗菌薬(抗生物質)について最も伝えたいメッセージの1つが,「ウイルス感染が本体である風邪に抗菌薬を使わない」ことのようだ。

風邪,インフルエンザは普通、自然経過で治る病気である。「抗菌薬は病気と闘うための強力な武器。しかしすべての病気に効くわけではない」とCDCは言う。特に風邪は「抗生物質が効く細菌感染ではなく、ウイルス感染症がほとんどである。抗生物質は効かないばかりか、その安易な使用のせいで耐性菌を生み出す原因となっている」。さらに「抗生物質の使用により、ノドのところで普段、風邪ウイルスと戦っている常在細菌を殺してしまい、かえって風邪が治りにくくなることもある」と指摘している。

そして風邪やインフルエンザには次のような,薬剤に頼らない対応を取るべきとしている(注:インフルエンザに限っては有効な抗ウイルス剤があります)。

子ども,成人のいずれであっても,ウイルス感染症は自然の経過をたどっているのであれば,回復する。ウイルス性の風邪の場合,症状が2週間以上続くこともある

風邪やインフルエンザの場合,「水分を十分取る」「冷たい霧の吸入や生理食塩水を鼻に噴霧することでうっ血症状を緩和」「のどの痛みは氷のかけらやアメで和らげる」ことなど。

 

不整脈から起こる「ノックアウト型脳梗塞(心原性脳梗塞)」に注意

 

心房細動は高齢者に多く見られる不整脈です。年齢とともに増加し、70歳代の方の5%80歳代の方の10%程度の割合で起こることが分かっています。動悸、息切れやめまい、胸苦しさなどの症状で気付くこともありますが、案外、何の症状もないことも多く、それと気付かずに健康診断などでたまたま見つかることもしばしばです。

 

この心房細動を起こすと、心臓の中で血液が淀んで固まりやすくなります。すると心臓内に血液の塊り(血栓)ができて、その血液の塊り(塞栓と言います)が脳の血管の方に流れていって、そこが詰まって脳梗塞(脳塞栓と言います)起こすことがあります。心房細動をそのまま放置した場合、5%の患者さんが脳梗塞になることが知られています。脳梗塞を起こされた方からみると、脳梗塞の約30%がこの心房細動によると言われています(心原性脳梗塞)。このタイプの脳梗塞は重症の場合が多く、中には死に至るケースもあります。

 

 脳梗塞は、一般に汗をかいて脱水になりやすい夏に多いのですが、この脳塞栓はこれからの季節(冬季)に多いので、動悸がしたりした際には、念のため心電図検査を受けるなどの注意が大切です。

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