血圧は低すぎても、脳卒中再発

 

 心臓が原因ではない脳梗塞を起こした2330人の患者を対象に、血圧と脳卒中再発リスク(危険性)の関連についての調査結果が発表となった。それによれば、正常値内で非常に低い群(120mmHg以下)、高い群(140から150mmHg)、および非常に高い群(150mmHg以上)の3つの群で脳卒中の再発のリスクが高かった。血圧が高い群で再発リスクが高くなるのはもちろんであるが、注目すべきは、130mmHg以下では再び再発率が上昇している点で、つまり降圧剤であまり血圧を下げすぎると、かえって脳卒中の再発率が高くなる可能性もあることが明らかになった。この結果は、血圧はあまり下げすぎず、むしろ少し高め位に維持した方が良いことを示している。

 

長引く咳、しっこい咳、何の咳?

 

長引く咳のうち、出はじめの頃の原因としては感染症が多く、最近はマイコプラズマ感染症や百日咳、クラミジア感染なども注目されています。

咳が4週間以上続く場合、感染症の可能性は少なくなってきます。そこまで続いた場合は、結核や肺癌、間質性肺炎などのチエックのため胸部レントゲン撮影を受けておいたほうが良いでしょう。それ以外の原因には、胃液の食道への逆流による刺激で起こる胃食道逆流症、副鼻腔炎により鼻汁が気管に流れこむ後鼻漏による副鼻腔気管支症候群もあります。また、「かぜ」は治ったはずなのに、咳がちっとも治まらない、そんな状態が続く場合、咳喘息やアトピー咳嗽かも知れません。

 咳喘息は、一カ月以上、空咳(からぜき)が続く気管支の病気です。アレルギー反応によって、気道が炎症を起こすため、夜中から明け方に激しい咳が出たり、室内外の温度差や、たばこの煙、運動、飲酒、ストレスなどのほか、ホコリやダニなどのいわゆるハウスダストが原因になるといわます。普通の喘息と同様、気道(呼吸をするときに空気の通る道)が狭くなり、いろいろな刺激に対して過敏になって、炎症や咳の発作が起こります。ただし、喘息に見られるゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴(ぜいめい)や呼吸困難は起こりません。また、発熱や痰(たん)などの症状はほとんど出ません。咳喘息は、喘息の前段階ともいわれます。咳喘息を放置すると、本格的な喘息に移行することがあるので、その前に正しい治療を受けることが大切です。

アトピー咳嗽は、アレルギーの関与により気道にある「咳の神経」が敏感(過敏)になることが原因で起こります。すなわち咳をするための感度が亢進しすぎて、ちょっとしたことで咳をしてしまうのです。いつも同じ時期に咳が出るとか、ほかにアトピー性皮膚炎や花粉症をお持ちの場合には、アトピー咳嗽である可能性が高くなります。咳喘息との違いは、喘息の代表的な治療薬である気管支拡張薬は効かず、抗ヒスタミン作用を有する薬剤、いわゆる抗アレルギー薬の効果がみられることです。治療に際し、吸入ステロイド薬が併用されることも少なくありません。なお喘息に移行することはありません。

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