肩の痛み −五十肩とは?―

 

肩が痛む、痛みのせいで腕を上げられない、後ろに回せないなどの運動障害が主な症状で、40才代から増え始め五十才代でピークを迎えるので五十肩と呼ばれます。日本人の20から30%の人がかかると言われるほど多い病気です。発病の原因は肩の老化です。肩関節の回りにあって、関節の動きをスムースにする働きがある滑液胞(かつえきほう)が炎症を起こすせいで、腕を上げると痛み、高いところに手が届かない、後ろに手がゆかなくなって頭の後ろの髪が結えない、寝巻きなどの腰ひもが結べないなどの肩関節の運動障害が起こります。寝返りをうって肩が下になると痛みで目が覚めてしまう(夜間痛)、痛くて眠れないなどの症状も特徴的です。

 

痛みのせいで関節をだんだん動かさなってしまうことが多く、何もしないでいると関節が硬くなって、肩関節の拘縮が起こり、腕が動かなくなってしまいます。治療としては、痛いからといって動かさないと、どんどん関節が硬くなってしまいますので、関節を暖めて、肩関節の外側から炎症を起こした滑液胞にヒアルロン酸液の注射をしたりしたうえで、肩関節体操などの運動療法をします。

 

膝の痛み −変形性膝関節症―

 

中高年になって膝が痛む病気の中で最も多い病気です。60才以上の方の4人に1人が膝の痛み感じていると言われますが、そのほとんどは、膝の関節のクッションの役割をし、関節の動きをスムースにするのに働いている関節軟骨がすり減って、関節に炎症が起こることが原因です。

 

中年以降の女性に多く、また肥満ぎみの方に多いようです。正座が出来なくなった。膝がきちんと伸びない、階段を降りる時に痛い。トイレで立ち上がる時に痛いなどの症状が起こります。膝の関節の軟骨が老化現象のため、磨り減ったことが原因ですから、自然に治ることはありません。進むと関節に炎症を起こり、関節に「水がたまる」膝関節水症が起こります。この病気は関節の内側に起こりやすく、圧痛(押さえたときの痛み)は関節の内側によくみられます。進むとだんだんO(オー)脚(変形)が起こります。

 

飲み薬や健康食品で膝の軟骨を増やせるようなものもありません。新聞などに、「コラーゲンを飲んだら治る」など言う高価な健康食品の宣伝が時々載っていますが、口から飲んだり食べたりしたものは、胃に入って、強酸である胃酸によりたちどころにアミノ酸にまで分解されてしまうため、膝の軟骨の再生に効果はありません。

 

太っている人は、膝にかかる負担を軽くするため、まず体重を減らすことが大切です。

なるべく膝を冷やさないようにして、温めることで膝の血行が良くなります。また膝を支える筋肉、なかでも大腿四頭筋と言う筋肉を鍛えると良く、膝関節体操として勧められています。大腿四頭筋を鍛えるトレーニングを大腿四頭筋訓練といいます。

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