血液検査で「癌」も分かるのでしょうか?

 

血液検査をする際に、「ついでに癌の検査も入れておいて下さい」と言われたりします。血液検査の1つに腫瘍マーカーと呼ばれるものがあります。癌になると大量に産生され、そのせいで血液中に増えるのですが、癌以外の原因で上がることもあります。そこで、この値が高いからと言って、必ず癌があると断言することはできません。また、逆に癌になれば必ずこれらの物質が増えるというわけでもありません。すなわち陰性であったからと言って癌が完全に否定出来るわけでもないのです。これら腫瘍マーカーは通常、癌があると分かっている方について、治療効果を判定する際に使われます。現時点では血液検査で癌の有無を判定出来るまでには至っていないのです。

HbA1cという検査で糖尿病と言われました。検査の前に食事をしていたのですが、そのせいではないですか?

血糖は直前に食事をすると高くなります。すなわち血糖は採血を行った時間帯によって、上がったり下がったりしますから、この測定だけでは糖尿病にかかっているかどうか判断出来ません。一方、 HbA1cは直前の食事の影響を受けません。血糖の高い状態が長期間続くと、血管内の余分なブドウ糖は赤血球の中にあるヘモグロビン(Hb)と結合します。その結合したもののうち、糖尿病と密接な関係があるのがHbA1c(ヘモグロビン・エィワンシー)です。つまり、このHbA1cの値が高ければ高いほどたく、さんのブドウ糖が余分に血液中にあって、ヘモグロビンと結合してしまったということです。赤血球の寿命はおよそ120日(4ヶ月)、この間ずっと体内を巡って、その中にあるHbはブドウ糖と少しずつ結びつきます。したがってHbA1c値は、赤血球の寿命の半分くらいにあたる1〜2ヶ月間の間の血糖の状態の平均(およそ1ヶ月間の血糖の状態のまとめ)を反映します。正常な人であれば、HbA1c値は 58%以下とされています。

54歳女性、血液中のコレステロールが高いと言われました。普段から脂っこいものなど、ほとんど食べませんし、何年か前の検査では正常だったんですが

 血液中のコレステロ−ルの80%は、実は食事中のコレステロールからではなく、肝臓で合成されたもので、これを内因性コレステロールと言います。このコレステロールを合成する酵素が生まれつき多い人がいます。その場合、脂っこいものをほとんど食べないのに、血液中のコレステロールが高くなったりします。また女性の場合、更年期を過ぎると、一般に女性ホルモンが減少してきます。実は、この女性ホルモンには血液中のコレステロールを下げる働きがあり、女性ホルモンの減少により、年齢とともにコレステロールが高くなってくることが多いのです。

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