最近、血液検査の紙をもらったら右下にeGFRという項目がありますが、これは何ですか?

 

腎臓の働きを知るための値がeGFR(推算糸球体濾過量)です。eGFRは血液から直接測定しているのではなくて、血液検査で測った血清クレアチニン値と年齢と性別から計算して記載してあります。いつの間にか検査の項目が増えお支払い金額が増えたというような心配はありません。業者がサービスで計算し記載してくれているのです。この数値は、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。

 

腎臓は毎日200?もの血液をろ過して、老廃物を尿として体外に排泄し、体の中を常にきれいに保つ働きをしています。この腎臓の機能を表す指標として、血液中のBUN(尿素窒素)、クレアチニン値がありますが、いずれも腎機能が正常の1/3程度にまで下がらないと上昇しないのです。そこでこの検査値だけで判断していますと、腎機能が相当悪くなってからでないと分かりません。そこで登場したのがeGFRです。腎機能の悪化を早期に知るための目的で、血清クレアチニン値をもとにeGFRを計算し用います。このGFRは糸球体が1分間にどれくらいの血液を濾過して尿を作れるかを示す値です。健康な人では腎臓の働き(GFR)は100mL//1.73u前後ですが、このGFRが健康な人の60%以下に低下する(GFR60m?//1.73u未満)か、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を、CKD(慢性腎臓病)と言います。年をとると腎機能は低下していきますから、高齢者になるほどCKDが多くなります。

高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い(脂質代謝異常)、肥満やメタボリックシンドローム、腎臓病、家族に腎臓病の人がいる場合は要注意です。さらにCKDは、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気の危険因子になります。つまり、腎臓を守ることは、心臓や脳を守ることにもつながるのです。

血液検査の項目のうちNT-proBNPというのは何ですか?

さまざまな心臓の病気が原因で心臓のポンプ機能が低下し、全身の臓器が必要としている血液を十分に送り出すことができなくなった状態を心不全と言いますで。つまり心不全とは病気の名前ではなく、心臓が衰えた状態をあらわす言葉なのです。この状態が急激に起こった場合を急性心不全と言い、心臓機能が徐々に低下していく場合を慢性心不全といいます。心臓のはたらきが低下してきますと、運動を行った際に動悸や息切れがしたり、ひどくなると呼吸困難や足のむくみなどの症状が出現します。

 

最近、心不全にかかっているかどうかを血液検査で調べることができるようになりました。それがNT-proBNPです。心不全などによって心筋細胞に障害が起きると、NT-proBNPが血中に現れ、病気の進行と共に血中濃度が高まることが知られています。健常人のNT-proBNP血中濃度は極めて低く、心不全の重症度に応じて血中濃度が上昇するのです。

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