冬の温泉事故を防ごう 60代以上は要注意 大半は心筋梗塞や脳梗塞

 

さまざまな効能がうたわれる温泉だが、ひとつ間違えば、入浴中の事故につながる可能性がある。各地の消防署などの推計では、家庭での事故を中心に、入浴中に全国で1年に1万人以上が亡くなっているとのこと、「交通事故による死者数よりはるかに多い」と警鐘が鳴らされている。入浴に関係する事故の大半は心筋梗塞脳梗塞が占め、特に気をつけなければならないのは、60代以上の年齢層という。「42度以上のお湯に入る高温浴は絶対やめてください」との注意が促されている。湯の温度が高いと血小板が活性化され血液が固まりやすくなって血管内に血栓ができやすくる。特に酒を飲んだ後の入浴は危ない。血管が拡張して血圧が下がって脳の血流が悪くなるし、発汗や利尿で血液が濃縮しドロドロの状態となるので非常に危険である。

 

高齢者のための安全入浴法

(1)温度が42度以上の湯には入らない

(2)飲酒後は絶対に入浴しない

(3)朝の入浴は避ける

(4)入浴前後には水分を十分に補給する

(5)入浴の水位は胸までにする(半身浴)

(6)更衣室を温め、浴室との温度差をなく 

   す。

(7)入浴の際は救助の出来る家族に知らせておき、1人では入浴しない

(8)入浴中、つかまることの出来る浴槽のフタを前に置きおぼれないようにする。

冬に多い脳の病気

脳出血:血圧の上がりやすい寒い時期には出血が多い。日中活動時、仕事中、また寒い夜中、早朝時のトイレなど暖かい場所から急に寒い場所に移動した際、血圧が急上昇して起こりやすい。精神的ストレス、すなわちイライラしたりビックリしたりすると、血液中にアドレナリンなどのホルモンが増え血圧を上昇させる。また急に寒い場所に出たり冷たい風にあたると、血管が収縮して急激に血圧が上がることになる。 特に冬の起床時に暖かい布団から出て急に寒いトイレに入った時や、冷たい水で顔を洗ったりした際、血圧が急激に上がるので十分注意する必要がある。


脳梗塞動脈硬化を基盤とした脳梗塞は夏に多いが、冬に多いのは心臓が原因で起こる脳梗塞、すなわち心房細動などの不整脈で心臓に出来た血栓が脳に達して起こる心原性脳塞栓症である。「冬はカゼなどの呼吸器感染症のために、血液を固めるフィブリノゲンの影響で血栓が出来やすくなるためではないか」と推測されている。 なお脳梗塞の発症する時間帯は朝六時頃から午前中の早い時間、つまり起床直後で血圧が変動しやすい頃。睡眠中にからだに水分が補給されないため血液の粘度が増し、血管がつまりやすくなっている事が、もうひとつの原因と考えられている。

くも膜下出血:くも膜下出血の原因である脳動脈瘤の破裂は、血圧上昇による影響を受けやすいと示唆されている。出雲市での調査の結果、年配者のくも膜下出血は冬に多く、夏に少なかった。この結果は,血圧の季節変動 (冬に高く,夏に低い) と合致している

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