眼前暗黒感とは? ―目の前が急に真っ暗になって、フーッとなりましたー

 

眼前暗黒感とは、文字通り目の前が急に暗くなることを言い、脳への血液の流れが悪くなった時に起こります。同時に、いわゆる脳貧血の症状、すなわちフーッとなったり、フラフラしたり、あるいは気の遠くなるような感覚を伴います。脳への血流低下の程度がひどいと、意識を失って倒れたりすることもあります。これを失神と言います。なお脳貧血と血液の貧血(血液中の赤血球の減少)とは全く関係ありません。原因にはいくつかのものがあります。

1.     びっくりした時や興奮した際に血圧が下 がって起こるもの(血管迷走神経性)

2.     いわゆる「立ちくらみ」、すなわち立ち上がった際の血圧低下によるもの(自律神経の異常による起立性低血圧)

3.     徐脈(脈が遅い)などの不整脈のせいで、脳への血流が一時的に途切れるため、すなわち心臓に原因があるもの(心原性)

4.     動脈硬化をきたし狭くなった脳への血管が一時的につまったり、そこを流れる血流が低下し、脳幹部の意識に関係するところへの血流が不足して、すなわち一過性脳虚血発作の一種として起こるもの。

5.     胃・十二指腸潰瘍などから多量の出血により血圧が下がって起こるもの。

 

年配の方では、以上の3.4.5の場合が多く、精密検査を受けておいた方が良いでしょう。

朝起きた時に手足の麻痺が起こっている時は、まず脳梗塞などの脳卒中を疑います。しかし、以下のような原因の場合もあります。

 

朝起きたら手が動かない

ー橈骨(とうこつ)神経麻痺―

橈骨神経が傷害されると手首と指が下がった状態、すなわち下垂手になり、手の背屈が出来なくなります。普通、しびれなどの感覚異常はありません。脇と肘の間の上腕中央部で神経が圧迫されて起こることが多く、大量の酒を飲んでベンチに腕を投げ出すような姿勢で熟睡した場合、腕をイスの背もたれにかけたまま、あるいは恋人の頭を腕枕にしたまま寝込んでしまった時など、週末に多いことから、「土曜の夜の麻痺」とも呼ばれます。

朝起きたら足が動かない

ー腓骨(ひこつ)神経麻痺―

腓骨神経が傷害されると、足先を持ち上げる筋肉が弱くなって足先が上方、すなわち足の甲の側に曲がらなくなり、いわゆる下垂足になります。腓骨神経は、膝の裏のすぐ下のあたりで、ふくらはぎ外側の皮膚の表面を通っている神経で、下腿の骨の腓骨頭の後ろを巻きつくように走行します。この神経の麻痺が起こる最も多い原因は、膝の外側にある腓骨頭部が外部から圧迫されることです。この麻痺が起こりやすいのは、寝たきりのやせた人、安全ベルトのかけ方を間違えたまま車いすに座っている人、あるいは長時間脚を組む癖がある人などです。骨折の後にギプス固定をしているときにも起こることがあります。

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