がんを疑うべき4大症状とは

1)、下血・血便 2)、血尿 3)、嚥下困難 
4)、喀血・血痰 以上の4つ。

1)、便に血液がついていた(血便)、あるいは下血で病院を受診し、大腸癌と分かった患者さんの割合は2 %。大腸癌では、それ以外、「急に便秘になった」、「便が細くなってきた」という症状で見つかる場合も多い。なお大腸癌のうち盲腸や上行結腸の部分に出来たものは、通過障害をきたしにくいため症状が出にくく手遅れになりやすい。しかし、この部位では貧血になることが多いので、原因不明の貧血がみられた場合、便潜血検査で調べた方が良い。

2)、血尿が認められた患者さんのうち腎臓や尿路の癌が見つかる割合は10%。


3)、嚥下困難(物を飲み込みにくい)では男性の6 %、女性の3 %に食道がんが見つかる。その際、通りにくいのが固形物か、それとも固形と液状のものの両方が通りにくいのかを確かめる。固形物が通りにくいのなら、「できもの」による通過障害の可能性が高い。固形物と液状の両方が通りにくいのであれば、癌ではなく、食道の動きが悪くなっているせいと考えられる。


4)、タン(痰)に血液が混じっている場合は、肺癌の検査を受けた方が良い。喀血や血痰は、実際には気管支炎や気管支拡張症によることが多いが、癌も数%の方に見つかる。それ以外に、なかなか咳が止まらないという症状の場合もある。咳が止まらない場合の原因は、多い順に副鼻腔炎(蓄膿症)、咳喘息、アトピー咳そうで、最近、逆流性食道炎や百日咳の場合が増加してきている。なお肺がんが静脈を圧迫している(上大静脈症候群)場合に、顔が腫れてきたり、顔が赤くなったりすることがある。同時に、手の甲の静脈の拡張がみられる場合も多い。

他に癌を疑うべき症状に、次の7つがある。

(1) 不明熱 (2) リンパ節腫脹  (3) 寝汗
(4) 体重減少  (5) 乳房のしこり  

 6) 異常性器出血  (7) 腰痛 以上の7つ。

1)、不明熱とは、原因不明の発熱が3週間以上続くこと。この場合、癌のリスクは15%。

2)、リンパ節のはれ(腫脹)がみられた場合、癌のリスクは数%。なかでも鎖骨の上のリンパ節のはれは要注意。

3)、寝汗。寝汗の有無は、「夜中に着替えをする必要がある程度か否か」で区別する。このような寝汗がみられた場合、25%にリンパ腫、白血病、腎癌、前立腺癌がみつかる。

4)、思い当たる原因がないのにやせてきた(体重減少)場合、16%〜36%に癌が見つかる。原因の第1位は実は、癌ではなく、うつ病などの精神疾患。しかし、癌がトップグループにあることに違いはない。癌の場合、体重減少に加え、倦怠感や疲れやすいなどの症状が出ることが多い。


7)、腰痛の場合は、特に安静臥床にても増悪する腰痛や、膀胱直腸障害すなわち 尿が出にくい、モレルなどの症状を伴う場合に注意が必要である、腰痛では0.7 %に転移性癌、骨髄腫がみつかる。前立腺癌の骨転移は、骨盤、椎体、大腿骨の順に多い。そこで、この部位に骨痛がみられた場合、前立腺癌の可能性を考える。

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