脳卒中には「脳の血管が詰まる虚血タイプ」と、「脳の血管が破れる出血タイプ」とがあります。虚血タイプが脳梗塞、出血タイプが脳出血やくも膜下出血です。

 

突然に起こったら脳卒中を疑う

脳卒中は何の前ぶれもなく、突然に起こるのが特徴、数日前からではなく、昨日の晩まではどうもなかったのに、「朝起きたら半身が麻痺しているのに気づいた」などというのが典型的な起こり方です。

 

「顔・腕・言葉」の簡単チエックで分かる脳卒中のサイン

イーとした際に前歯を見せて笑顔が作れるか、前へならえで片腕が下がらないか、言葉が上手く言えるか、1つでもおかしければ、7割以上の確率で脳卒中と判断してよい。
@顔面に麻痺があると、左右の口が同じように開かないので、イーっとすると片側がゆがんで前歯を見せて笑顔を作れなくなる。

A両手の手のひらを上にして前に挙げた状態(前へならえ)で、目をつむって10秒間ほどじっとしていると、だんだん下がってくる腕には麻痺がある。
B「太郎が花子にりんごをあげた」と言ってみる。言語障害があると、ろれつが回りにくくなるので、これが上手く言えない。

 

こんな症状が起こったら脳卒中のサイン

 

しびれと脱力 顔面や片側の手足がしびれる、片側の手足に力が入らない(麻痺)、手に持ったハシやペンを落としてしまう、片足を引きずる、ちょっとした段差でつまずく、スリッパが脱げる、歩行中、片側に傾いてゆくというような症状で気付かれることもある。

 

やべれない、ろれつが回らない 言語障害のうち、ひとつは失語症、すなわち脳の言語中枢の障害のため、思ったことを口に出して言えない場合(運動性失語)と、話しかけられても相手の言っていることが理解できない場合(感覚性失語)があり、もうひとつは構語障害と言って、お酒に酔ったみたいに「ろれつが回りにくくなる」場合とがあります。

 

物が二つに見える 片目ずつではちゃんと見えるが、両目で見るとものがだぶって二つ(二重)に見える場合は、脳卒中など脳に原因がある場合が多いようです。

 

物が見えにくい 視野(視界)の半分が急に見えにくくなる(視野障害)や、急に片側の目が真っ暗になり見えなくなった(黒内障)場合、脳卒中によることがあります。視野障害は大脳(後頭葉)の視覚中枢の障害、黒内障は眼球への血流を司る眼動脈の障害が原因で起こります。

 

梗塞の前ぶれ 片方の手が動かない、足がもつれる、片方の目が見えなくなるといった症状が、突然に起こって、数時間から1日続き自然に治る。これを「一過性脳虚血発作」と言います。これは脳梗塞の前ぶれであることが多く、5年以内に3分の1くらいの人が脳梗塞を起こすことになります。すぐに良くなったからと言って安心はできません。


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