アルツハイマー病の予防法

 

アルツハイマー病の患者さんの脳を顕微鏡で見ると、茶色いシミのようなものがたくさん見つかります。これは「β(ベータ)タンパク」という物質が溜まったもので、脳の神経細胞が作る「ゴミ」のようなものです。このβタンパクの蓄積によって脳が傷害を受けることが、アルツハイマー病の主な原因と考えられています。最初に影響を受けるのが、記憶に関係する海馬(かいば)です。そこで、まず記憶障害が起こるのです。

 

ところで、「有酸素運動」、 「生活習慣病にならない食生活」、 「話し相手」の3つを、アルツハイマー病予防の3原則と言い、これを守れば、発病するまでの期間を遅らせることができると分かってきました。

 

1、「有酸素運動をする」: 「運動」にアルツハイマー病を予防する効果があることが分かってきました。アメリカでの実験で、「運動しやすい環境に置かれたマウスは、βタンパクが貯まりにくい」という結果が出ました。運動によってβタンパクを分解する酵素が活性化されたためと考えられています。またヨーロッパでの調査では、適度な運動をしている人は、していない人に較べ、アルツハイマー病の危険度が3分の1になることが分かりました。

2、「生活習慣病にならない食生活」: ヨーロッパでの研究によると、以下の項目があると認知症の危険度が増すことが分かりました。高血圧: 危険度1.97倍、 高コレステロール: 危険度1.89倍、 肥満: 危険度2.09倍。そして以上の3つのすべてがあてはまる場合: 危険度6.21倍。これらの危険因子は脳への血流に影響を与えたり、βタンパクを溜まりやすくしたりすることによって、アルツハイマー病になりやすくするのではないかと考えられています。

3、「話し相手を持つ」: ヨーロッパでの研究によると家族や友達が多く。社会的との交わりが多い人に比べ、それが乏しい人は、認知症の発症率がおよそ8倍にもなると分かりました。会話をすることによって脳が活性化し、アルツハイマー病になるのを防ぐ効果があったのではないかと考えられています。そして会話をしている時の脳を調べると、とても活性化していることが分かりました。そんなことで会話が減るとアルツハイマー病が進行してしまうことがあるのです。

 

 

認知症と脳卒中 共通の危険因子

 

一見関係のない脳卒中と認知症ですが、その危険因子が共通していることが最近分かってきました。

共通の危険因子とは次のようなものです。すなわち糖尿病、高血圧、高脂血症やコレステロールの高い状態などです。その他、喫煙と過度の飲酒も危険因子となります。いずれも動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞の原因となるものばかりです。同様に、脳の動脈の動脈硬化から、脳の血液の流れを悪くして、認知症性の変化を進めるためではと考えられています。

 

アルツハイマーには漢方…阪大の研究で効果分かる

 

幻覚や妄想などアルツハイマー病の周辺症状のコントロールによく使われる漢方薬 「抑肝散(よくかんさん)」に、認知症の際の、脳の神経細胞死を抑える効果があることが、大阪大の研究で分かった。もともと抑肝散は子供の夜泣きや疳(かん)の虫などを抑えるために使われてきた漢方薬。その効果が期待されてい

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