山本クリニック新聞   185月連休号

しびれにご注意

1、左手がしびれたり、痛んだりする時は、心臓病(狭心症や心筋梗塞)のことがあります。

2、片方の手足が短時間でも、しびれたり、力が抜けた時は、一過性脳虚血発作と言って「脳梗塞の前ぶれ」の場合があります。脳への血液が欠乏しますと、一時的に手足のマヒ・しびれ・言語障害といった症状が起きます。めまいやフラツキと同時に片側の口唇の外側がしびれた時は、脳幹部の病気の場合があります。また、朝、起きた時に「手や足がしびれている」、あるいは「力が入らない」と言った症状に気づいた時は、脳梗塞かもしれません。

3、散髪やパーマで洗髪の際、後ろに首を伸ばした時に、手足にしびれが走るなら、椎間板ヘルニアなど頸椎の病気の場合があります。首をのばした時に、神経の通る管が狭くなり、神経が圧迫されるためです

4、夜間に両足がしびれたり、痛んだりする時は糖尿病にかかっていることがあります。糖尿病神経障害では、最初に感覚神経が障害され、足の先がシビレたり、痛みを感じなくなるのです。はだしで歩いた時に足の裏と床の間に紙が1枚あるように感じることや、夜間に痛みが悪化し、不眠の原因になることもあります。

5、少し歩くと「ふくらはぎ」に痛みが現れ、さらに歩き続けると、この痛みが強くなり歩けなくなって、4〜5分休むと症状がとれまた歩けるようになるのを「間欠性肢行」といいます。これは閉塞性動脈硬化症と言って、下肢への動脈が狭くなったり、つまっている場合と、腰部脊柱管狭窄症と言って、足への神経を囲んでいる管が椎間板ヘルニアや変性(老化現象)あるいは腰椎スベリ症などで狭くなっている場合に起こります。

6、洗濯物を干す時や、黒板に字を書く、電車の吊り革を持つ際など「手を上げた」時に、手がしびれる場合、胸郭出口症候群の疑いがあります。首から出て上肢へ行く神経は、最初、首や肩の回りの筋肉や鎖骨と肋骨の間など、たいへん狭いところを通ります。女性で、特に「なで肩」の人は、この通路が特に狭く、神経や血管が圧迫されやすいのです。そして重たいものを持ったり、腕を上に挙げるとシビレが強くなるという特徴があります。

6、朝起きた時や、夜中に目が覚めた際に、手がしびれたり、痛んだりする時は、手根管症候群の疑いがあります。妙齢の女性に多い病気で、手指へ行く正中神経が、手首のところで狭いトンネルを通りますが、手をよく使いますと、このトンネルが狭くなって神経の圧迫が起こるのです。

7、きついガードルやジーンズで骨盤の周りを圧迫すると、太ももの部分へ行く外側大腿皮神経が圧迫されて、大腿部の外側のかなり広い範囲がシビレます。これを感覚異常性大腿神経痛と言います。

8、足首の内側の踝(くるぶし)の下で神経が圧迫されると足の裏がシビレます。これを足根管症状群と言います。

9、肘の部分で尺骨神経が圧迫されると手指の小指側がしびれます。これを肘部管症候群と言います。

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